ラグビーワールドカップ2019がすぐそこまで迫ってきていますが、ラグビー観戦をしたことがない人も、まだまだラグビーのことを知る時間はあります!
ラグビーとはどんなスポーツで、どのようなルールがあるのか?
一緒に勉強しましょう!!
いろいろな種類のキック
ラグビーは、イギリスで「フットボール」から生まれたスポーツです。
ラグビーではボールを持って走ることが許されましたが、ボールを蹴るというプレーも重要な要素を担っています。
ラグビーでは、ボールを前にパスすることは反則になりますが、キックでボールを前に蹴ることは許されています。
キックには、ボールを前に進めるキックと、ゴールを狙い得点を獲得する為のゴールキックの2種類があります。
ボールを前に進めるキック
★タッチキック
自陣深い位置からエリア挽回の時に、タッチラインを狙うキックです。
対戦相手の重い反則によるペナルティーで得た、タッチキックは、プレー再開のラインアウトもマイボールになるので、攻撃の戦略として蹴られることもあります。
★ロングキック
自陣深い位置からエリア挽回の時に、対戦相手陣地の深いエリアに蹴り込むキックです。
タッチラインを狙わず、キックをキャッチした対戦相手の選手に、ディフェンスでプレッシャーを与え、エリア挽回や対戦相手のミスを誘います。
★ハイパントキック
アタックの時に、スタンドオフやスクラムハーフの選手が、前方に高く蹴り上げるキックです。
滞空時間の長いキックを、ディフェンスラインの裏に蹴り上げ、対戦相手がキャッチを試みる時に、味方選手を競わせ、ボール獲得を狙います。
★ショートパントキック
アタックの時に、スタンドオフやスクラムハーフの選手が、対戦相手のディフェンスラインの裏に短く蹴り出すキックです。
対戦相手のディフェンスライン後方に小さく蹴ることで、対戦相手を背走させることができ、また、不規則なボールのバウンドを利用し、味方選手がボールを獲得するチャンスを作り出します。
★ドロップキック
試合開始の時と得点後のキックオフで使われるキックです。
また、ドロップアウト(インゴールでディフェンス側がグラウンディングした時のプレー再開方法)でも使われるキックで、他のキックと違い、地面でショートバウンドさせたボールを蹴ります。
得点を獲得する為のゴールキック
★コンバージョンゴール(キック)
トライが成立したチームに与えられるゴールキックです。
トライした地点から、まっすぐ後ろに下がった地点にボールをセットし、キックでゴールポストの間(クロスバーの上も通過しないといけない)を通します。
キックが成功すると2点を獲得できます。
★ペナルティーゴール(キック)
対戦相手の重い反則によるペナルティーで得たゴールキックのことです。
ペナルティーキックで、タッチキックを選択するのか、または、ゴールキックを選択するのかは、ペナルティーキックの場所や、点数差、時間帯などを考慮し、チームの戦略としてゲームキャプテンが判断します。
コンバージョンゴールと同じように、ゴールポスト間(クロスバーの上も通過しないといけない)を通すと得点になりますが、与えられる点数は3点となります。
★ドロップゴール(キック)
プレー中に、ショートバウンドさせたボールをキックし、ゴールポスト間(クロスバーの上も通過しないといけない)を通すと得点になり、3点が与えられます。
コンバージョンゴールやペナルティーキックはボールを地面にセットしてキックしますが、ドロップゴールは、プレー中にショートバウンドさせたボールをキックしないといけません。
ラグビーの醍醐味!密集地帯!
ラグビーの醍醐味の1つとして、屈強な体をした選手達が激しく体をぶつけ合い、ボールを争奪する密集地帯でのプレーが挙げられます。
モール
ボールを持ってアタックする選手が対戦相手のディフェンスに捕まっても、倒される前に味方選手がサポートに来て、バインドすることで成立するプレーです。
ボールを持っている選手と、対戦相手のディフェンスの選手と、ボールを持っている選手のフォローに来た選手の最低3人の選手が、立った状態で行うプレーです。
モールはボールを持っている選手が立ったままの状態である為、密集地帯のまま前進していくことができます。
モールがよく形成されるのは、ゴールライン前でのラインアウトの時です。
ラインアウトのボールがアタック側のチームにある時は、ラインアウトをキャッチした後、ボールをキャッチした選手を基点に、モールを形成し、インゴールまでモールを押し込みます。
フォワードの力関係が優位にあるチームや、モールでの攻撃を得意としているチームが選択する戦術です。
モールでトライを奪う!と決めた時には、フォワードの選手だけではなく、バックスの選手も加わり、10人近い人数でモールを押し込みます。
非常に迫力のあるシーンになります。
ラック
ボールを持ってアタックする選手が、対戦相手のタックルで倒されると、一度ボールを離して地面に置かなければなりません。
地面に置かれたボールを、両チーム1人以上の選手がボールの上で、組み合って奪い合うプレーをラックと呼びます。
ラックが形成されると、手でボールを拾い上げることは反則になります。
どちらかのチームの選手がラックを押し込み、ボールを越えた時に、初めてラックの最後尾から出てきたボールを拾い上げることができます。
タックルされて倒れた選手は、対戦相手にボールを渡さないように、自分のチームのエリアの方にボールを置きます。
置かれたボールにフォワードの選手が集まり、ラックを形成し、マイボールをキープしアタックを継続します。
フォワードの選手の集まりが遅ければ、ディフェンスチームの選手がボールを越え、ターンオーバーに繋げます。
ラックでは、フォワードのパワーだけではなく、スピードや持久力も求められます。
ラックでのボールキープに時間をかけてしまった時や、人数をかけてしまった時は、アタックのリズムが悪くなり、アタックの停滞を生み出してしまいます。
ゲームのキーポイント!セットプレー
ゲーム中にタッチラインをボールが割った時や、反則がありペナルティーを課せられた時、ゲームを再開するプレーをセットプレーと言います。
ラグビーでは、スクラムとラインアウトの2つのセットプレーがあり、セットプレーの優劣はゲーム展開に大きく影響します。
スクラム
両チームのフォワード8人の選手が組み合って押し合い、真ん中に入れられたボールを奪い合うプレーです。
1番から3番の選手が最前列で組合い(フロントロー)、4番から8番の選手が後方から支えます。
フォワードのパワーを1番発揮できるプレーであり、スクラムで押し勝つとチーム全体の士気が上がります。
また、スクラムで劣勢になると、反則を多くとられ、ゲーム展開も不利になります。
ラインアウト
ボールがタッチラインを割った後、再開するプレーです。
ボールがタッチラインを割った場所を基点に、1mの間隔を空けて両チームの選手が同じ人数並びます。
両チームの選手が並んだ間に、ボールを保持しているチームのスロワー(2番)がボールを投げ入れ奪い合います。
ボールを保持しているチームは、マイボールをキープする為、対戦相手が届かないような高い場所にボールを投げ入れます。
高い場所に投げ入れられたボールをキャッチする為、パワーのある選手がリフターとなり、背の高い選手(ジャンパー)を持ち上げます。
さらにキャッチの確率を上げる為、いろいろなサインを用意し、対戦相手に読まれないようにします。
スロワーが投げ入れるボールが、自分のチームが獲得しやすいように、自分のチームの列の方に曲げてしまうと反則になります。
また、ラインアウトに参加していない選手は、両チームともラインアウト地点から10m離れないといけません。
ラインアウトでマイボールを確実に獲得し、バックスに展開することで、対戦相手のディフェンスラインのプレッシャーがかかっていない状況でアタックすることができ、バックスのアタック力が1番発揮できる形になります。
ラインアウトでの高いマイボール獲得率が、トライに繋がる可能性を高くします。